アイドル氷河期と、20世紀末以降のグラドル中心である現在=新生代の狭間であるKT境界、即ちK室T哉ブロデュースによるアーティスト時代。通常の新人歌手アイドルにとって媒体露出が絶望となった時、それまでならアイドルの範疇にあった者たちは、否応なしにアーチィスト化しました。
その代表にして象徴が安室奈美恵。最初、彼女はご存じアイドルグループ:スーパーモンキーズの一員としての存在でしたが、やはり低迷。異性を引き付けるアイドル性に乏しいなら、同性をターゲットにしてしまえばいい。やがてその卓抜な歌唱力と舞踏力により自らの名を前面に出すまでに成長。時代を画しました。

華原朋美も、その一方の雄でしょう。元々は純粋アイドル、遠峯ありさ。15歳頃の彼女は、認知度の低い女子高生5人組ユニット《Mews》メンパーでしたが、KTプロデュースの後ろ楯により一気に才能開花。美しく伸びのある高音の声がそれを生かす曲のもとに映えて、出す曲みな大ヒット。フジテレビビジュアルクイーン95にも選ばれ、異性ファンにも訴求可能に。しかしよく知られているように、その後の私生活での痛手が彼女に大きな衝撃を。日本テレビ『電波少年』の『全米デビューヘの道』参加などで一度は復活するも、スランプ期のダメージが深く蝕んでいたか、再び現在のような状況へ。惜しい、あまりにも惜しい。またあの心に響く歌が聞きたい。
姉のように慕う深田恭子との『新堂本兄弟』での美しいコラボ風景も、きっと多くの記憶に残っているはずです。